連載作品

代表が手掛けた数々のプロジェクトの中から珠玉の一部をWEBライターが監修したオリジナル連載記事となります

あらすじ:激動のIT業界(2000年代~現在)を疾風のように駆け抜け、数々の重要社会インフラ基盤システムを手掛けたプロフェッショナル達がいた。かつてエースと呼ばれたSEと日本の重要社会基盤システムを陰から支え続けたエンジニア達の知られざる物語である。

プロジェクトA:基地局の復旧

仕事終わりにいつものカフェでコーヒーを飲んでいるとコール音が鳴った。

「社長、佐々木です。基地局がダウンしました。バックアップで動いてますが負荷が高いのであと数時間しか持ちません。バックアップがダウンすれば Y市全体の通信が遮断されます・・1次対応チームでは対処できません」

スマホが繋がりづらいのは、どうやらその影響らしい。数分でも遮断すればニュースとして報じられる障害となる。
障害が長引けば、その影響は広範囲に及び復旧までに相当の時間がかかることが多い。
コーヒーを一気に飲み干しタクシーで現場に向かう。窓から満月が見えた・・・ 今夜も長い夜になりそうだ(続く)

プロジェクトB:仮想通貨流出の阻止

会議室は重苦しい空気に包まれていた。
「仮想通貨流出は絶対に避けたい、誰にも破れない強固なサイバーセキュリティシステムを構築して欲しいんだが。。」

ここ数年で多額の仮想通貨が流出している。その被害額は小国であれば国家予算にも匹敵する金額だ。
そんなシステムを数週間で開発しろとは無茶な話である。断ろうとしたその刹那、隣に座っていた高木が目で訴えた。

売上欲しさに既に受注してしまったらしい。時計は23時を回っている。誰かが小さく溜め息をするのが聴こえた・・今夜も長い夜になりそうだ(続く)

プロジェクトC:コロナ人流の可視化(非公開)

プロジェクトD:機密情報漏洩の阻止(非公開)

プロジェクトE:経済産業省へ急行せよ(非公開)

プロジェクトF:オリパラ大会を成功させよ(非公開)

プロジェクトG:違法書き込み捜査への協力(非公開)

プロジェクトH:マイナンバーサービスリリース(非公開)

プロジェクトI:巨大データセンター基幹システムのマイグレ自動化(非公開)

プロジェクトJ:ダイナミックルーティングに仕込んだ脆弱性調査(非公開)

プロジェクトK:鳴り止まぬアラート・機器故障予測システム開発(非公開)

プロジェクトL:東日本大震災/原発システム監視(非公開)

プロジェクトM:エンジニアの流儀/エースと呼ばれた男(非公開)

プロジェクトN:ITバブル前夜/エースの横顔(非公開)

プロジェクトO:AIは神か悪魔か/エースの本懐(非公開)

プロジェクトP:某国サイバー攻撃/エースの資質(非公開)

プロジェクトQ:インフラを止めるな/恩師の遺言(非公開)

プロジェクトR:エンジニア四天王/旧友の手紙(近日公開予定)

プロジェクトS:エンジニア疾風伝/鬼が巣食う現場

2mはありそうな大男だった。太い片腕で黒光りする大型サーバ2台を軽々と抱えている。確かに鬼のようだった。
「ここはエンジニアの墓場だ。朝まで持ちこたえた奴はいない」野太い声が響いた。
システムへの攻撃側(通称レッドチーム)と守備側(通称ブルーチーム)に分かれ、システムセキュリティ強度を調査するペネトレーションテストと呼ばれる試験である。
通常は数週間かける試験を猛攻撃をかけ一晩で不正侵入を行い、脆弱性の責任を取らせるという荒っぽいやり方だ。

この男のせいで一体どれだけのエンジニアがここから去ったのだろうか...

バッグから愛用マシンを引き抜いた。数々の修羅場を共にした特注のチューニングマシンだ。

「手練れが使う特注マシンか。。少しは楽しめそうだが、いつまでもつかな」

鬼は大量のPing攻撃を仕掛けてくる。システムに高負荷をかけてダウンさせる手法だ。

同時に大量のポートスキャンも仕掛けてきた。脆弱性を探りながら不正アクセスをする常套手段だった。

「さあどうする?」大声で笑った。FWやオートスケーラクラスタは鬼が無効にしたようだ。
システムの警告音が鳴り響きアラート通知も飛んでいる・・・今夜も長い夜になりそうだ(続く)

プロジェクトT:エンジニア疾風伝/ログ解析システム導入(近日公開予定)

プロジェクトU:エンジニア疾風伝/構成管理システム導入(近日公開予定)

プロジェクトV:エンジニア疾風伝/SIEM・EDR導入(近日公開予定)

プロジェクトW:エンジニア疾風伝/止まない雨(近日公開予定)

プロジェクトX:エンジニア疾風伝/約束の場所(近日公開予定)

プロジェクトY:エンジニア疾風伝/エースの引き際(近日公開予定)

プロジェクトZ:最終話/日本の社会インフラ基盤システムを支え続けるプロフェッショナル達

システムは不安定だった。電波品質が低下し一帯の通信に影響が出始めている。
抵抗値・伝送損失値・線路長値も確認したが原因になるような数値ではない。
回線帯域調整も必要なく、周囲に空港や送電線など外部要因になるような施設も見当たらない。
config(設定)異常はなく、ログ解析でも原因不明、しかし監視システムには特殊なエラーコードが赤く点灯する。
このままでは緊急通報・金融市場取引・日常生活も含めた通信が遮断され、大規模広域障害に繋がることになる。

原因不明の通信障害は熟練の技術者でも対処が困難となる。全員の視線が自分に向けられるのを感じた。
ポートリセットを1度行うが反応がない。リセットは3度までだ。それ以上はシステムがもたないだろう。
タイミングはシステムの動作を診ながら慎重に行う必要がある、心臓マッサージの電気ショックに相当する。

2度目も行う。反応がない。残り1発・・・緊張が走り周囲には大勢の人だかりが出来ていた。
「自分を信じろ」恩師の声が聴こえた気がした。タイミングを計り3発目を打った。直後システムは息を吹き返した。
通信は安定し一帯への影響は最小限で済んだ。周りから一斉に拍手が起こる。「プロフェッショナル」誰かが呟いた。

ビルを出るともうすっかり朝になっていた。携帯電話に伝言が残っている。
「代表、官公庁に納品したセキュリティ製品のバージョンアップを至急行って欲しいという依頼です!致命的脆弱性が見つかったんですが社内に誰も対応できる人がいなくて・・お願いできますか?」
誰かがやらねばシステムは止まる。システムが止まれば経済や社会生活も止まる。「システムを止めるな」駆け出しの頃云われた言葉を想い出す。タクシーに飛び乗ると窓の外には桜の花びらが舞っていた。

「お客さん徹夜明けかい?そういや昔この辺りで徹夜明けの若いエンジニアをよく乗せたよ。社長になったと聴いたから現場は引退してると思うけどね、たしかエースって呼ばれてたっけ。お客さんね、そのヒトにどこか似てるよ」

タクシーは桜並木をゆっくりと走り出した。少し眠ることにしよう。。今日も長い1日になりそうだ

※この作品を日本の重要社会インフラ基盤システムを支える全てのプロフェッショナルに捧げる

特別編:エンジニア風流記/エースの休息

ミッドナイトサウナ、20代若僧の頃から通っている。高層階からベイブリッジが一望できる隠れ家のような存在だ。

会社経営方針などもこの場所で考えることが多い。新しい発想が生まれる特別な場所でもある。

この「隠れ家」に部下や友人を連れてきたことはない。お忍びで訪れる著名人もいるが大抵は皆1人だ。

サウナ発祥の地フィンランドでは精霊が宿るとされ2000年以上前から酷寒の過酷な暮らしを支えてきた歴史がある。

時計が深夜2時を回った頃に馴染みの顔が入ってきた。名前は知らないがここで会えば会釈をする間柄だった。

暗がりに照らされた表情がいつもより疲れて見える。暖炉の一番近くに静かに腰を下ろした。

お互い無言で深夜のベイブリッジを見つめていた。ブリッジを渡る車がマッチ箱にように見える。

ここに居ると時間が止まったように感じることがある。暖炉に水滴が落ち真っ白な蒸気が沸きあがる。

沸き上がった蒸気の香りが心地よかった。しばらくすると「お先に・・・」小さく呟いて出て行った。

さっきより表情が和らいで見えた。暖炉に落ちる水滴の音だけが静かに響いていた (続く)

番外編1:エンジニアの流儀/ChatGPT自治体DX(スマートシティ構想編)

一通のメールが届いていた。差出し人は大学時代の友人だった。

ある自治体関連部門で幹部になり、多忙な日々を送っていると聴いていた。

昔から頭の切れる男だった。「お前のチカラが借りたい...」唐突に会いたいと云ってくるのはあの頃と変わらない。

小さなバーに入るとカウンターでウィスキーを飲んでいた。隣には秘書とおぼしき女性が座っている。

「20年久りだな...」横目で見ながら笑った。グラスの氷が溶ける音がした。とても静かな夜だった (続く)

番外編2:エンジニア疾風伝/ランサムウェア被害調査

ジムを出ると高級車が停まっていた。運転手がドアの前に立ち、ある企業の役員の顔が窓越しに見えた。

待ち合わせの時間よりかなり早い到着だ。それだけ切迫しているということか・・・嫌な予感がした。

提供しているシステムがランサムウェア被害を受け顧客情報と引き換えに多額の身代金を請求されているとの連絡があったのは昨日のことだった。

クラウドとオンプレシステムの連携に失敗し、バックアップからの切り戻しも難しい状況だと聴いていた。

「エース、何とかならんか」役員はかつての通り名を知る数少ない1人だった。遠くでセミの鳴く声が聴こえた (続く)

番外編3:エンジニアの流儀/若き才能

紹介したい若手がいますと地方議員関係者から聴かされたのは、ある会合の席での帰り際だった。

間もなく女性が現れた。10代後半~20代前半の学生に見える。細身だが意志の強そうな大きな瞳が印象的だった。

「伝説のエンジニアなんですよね!? 私を一流のエンジニアとしてデビューさせて下さい」

思わず苦笑いするしかなかった。「会社はもう辞めてきたんです」それを聴いて少し面食らった気がした。

「社長にプロデュースしていただいて1日でも早くエンジ二アとしてデビューするのが私の夢なんです」

「一流のエンジニアになってITのチカラで地域の活性化に貢献したいんです、お願いします!」 

紹介者が不安気に遠くから見守っている。何らかのツテのある彼女に頼み込まれ、やむなく紹介したようだ。

個人の小さな損得勘定しか考えない人材もいる中、彼女からは社会貢献したいという想いが伝わってきた気がした。

20年以上前の未熟で世間知らずな若僧の頃は同じ夢を追っていた。あの頃の懐かしい自分に彼女が重なって見えた。

頷くとこぼれるような笑顔を返してくる。これがのちに幹部となり活躍する事になる若手との出会いだった (続く)

番外編4:エンジニア疾風伝/大阪万博編

首都高を走行中に万博開催が近いことを知らせる放送が流れた。

数年前のオリンピック同様にサイバーセキュリティ実装が必要になるが、世界情勢がより不安定になっているため、今回もサイバー空間での熾烈な攻防が予想される。

日本の重要インフラシステム同様に、国家の威信をかけた国際大会は標的になりやすく、実績のあるセキュリティエンジ二アには各方面から支援要請の声がかかる。

最近は組織的サイバー犯罪だけではく、生成AIを悪用することで敷居が下がり、個人でセキュリティコンプライアンス違反を犯しサイバー犯罪に繋がるケースも増加傾向にある。

ITの発展は社会に恩恵をもたらすが、技術を悪用して犯罪に手を染める再犯者もいつの時代も後を絶たない。

IT産業の一端を担うプロとして、サイバー犯罪阻止と国家プロジェクトの成功はマスト要件となる。今回の支援要請もハードなプロジェクトになりそうだ。

IT技術の進化はヒトを幸せにも不幸にもする。俺にはもう余り時間がない。若僧、お前はITで日本に貢献しろ」

高層ビルの夜景が見えてくる。かつて託された想いは今も胸で響いている。アクセルを強く踏み込んだ (続く)

番外編5:エンジニアの流儀/最上級エンジニア関東4天王 VS 伝説のエンジニア関西3巨頭 (前編)

ある上場企業トップからの招待状が届いていた。一般には流通しないシークレット案件だ。

官民一体の巨額長期プロジェクトで、腕利きのコンサルタント兼エンジニアの参画を募っているという内容だった。

「四天王枠として出るんだろ?」 古い付き合いの山崎がダージリンに檸檬を入れながら云う。

関東四天王はある大企業グループ社内で使用されている隠語で、腕利きの外注コンサル/エンジニアへの称号だ。

関西三巨頭という称号も存在することは聴いていたが、億単位の報酬でなければ動かないという噂だった。

今回は四天王・三巨頭の7名が一堂に会し、受注の可否について調整して欲しいということだった。

「7人が一堂に集まるなんて想像しただけでも圧巻な光景だな。オレも現役だったら参加したかったよ」

彼もかつてコンサルタント兼エンジニアだったが現場を引退し会社経営に専念している、元四天王の1人だった。

20ヵ国語を自在に操り、医学・国際法・会計分野に精通し、高級基幹システム SAP/ERP・HANA製品も得意とした。

三巨頭か・・どんなコンサルタントやエンジニアなんだろう。噂ではキャリア官僚出身のエリートもいるらしい。

7人に共通しているのは、全員百戦練磨のコンサルタント兼エンジニアであると同時に会社経営者でもあることだ。

待合わせ場所は都内料亭になっている。まずは会ってみるか・・・紅茶の檸檬が黄色く鮮やかに光っていた (続く)

アクセス

企業情報
株式会社ISEエンジニアリング不動産
代表取締役/統括本部長:伊勢田 洋一
逗子横須賀IT産業推進協会  専務理事
葉山鎌倉ITベンチャー企業支援協会 会長
東京神奈川デジタル人材育成
支援協会参与
日本DX推進協議会議長/主席アドバイザー
CSIRT/サイバー緊急対応チーム特別顧問
(協会ポータルサイト 2024年度順次公開)
創立時資本金:1,000,000円
※2024年1月 
  2,000,000円増資完了
※2024年9月   7,000,000円追加増資
2025年3月  20,000,000円追加増資
※2025年4月  グループ傘下事業経営統合

事業内容:
・地域IT産業促進/システム開発構築支援
・IT製品プロモーション販売/代理店業務
・若年層デジタル人材育成および就業促進
・重要インフラ基盤サイバー防衛支援事業
・経営コンサル/DX推進及び社会貢献事業
・医学大生賃貸不動産/テナント運営事業
事業部:
CSIRT事業部サイバー犯罪特別対策室
CSIRT事業部サイバーテロ特別対策室
SOC体制構築コンサルティング事業部
基幹システムコンサルティング事業部
基幹産業活性・企業誘致推進事業部
地域スマートシティ構想推進事業部
地域創成5ヵ年計画/再開発事業部
国際サイバーセキュリティ事業部
社会インフラ基盤保守事業部
ChatGPT基盤DX推進事業部
RPA連携基盤DX推進事業部
官公庁システム運用事業部
AI・IoT・IOC推進事業部
アジャイル開発事業部
クラウド推進事業部
テナント運営事業部
SES法人営業部
M&A交渉戦略室
公益財団設立準備室
ビジネス交流会主催室
マザーズ上場推進社長室
SmartPage代理店事業部
SKYSEAプロモーション事業部
地域創成eスポーツゲーム主催室
デジタル人材育成/採用支援事業部
IT医療事業・IT介護事業参画準備室
クラウドファンディング公募企画室 他
従業員数:250名(所属フリーランス含む)
取引銀行:住信SBIネット銀行
       GMOあおぞらネット銀行
本店所在地
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷2-19-15
宮益坂ビルディング609(本店)
所属:東京商工会議所/横浜商工会議所
   
地域商工会議所IT経営者部会など
2025年4月1日 六本木移転予定

グループ傘下事業経営統合による本社移転
 
〒231-0062
神奈川県横浜市中区桜木町1-1-7
ヒューリックみなとみらい10F(支店)
その他オフィス:
恵比寿・品川・青山・日比谷・汐留など

グループ会社 (設立準備含む)
・株式会社ISEデジタル介護福祉サービス
・株式会社ISEデジタル教育ビジネス
・株式会社ISEデジタル都市開発
・その他社団法人/公益財団法人 他
 ※詳細:2024年以降順次掲載
税務・労務・法務など提携先
・税理士法人/弁護士団体/各種協会など

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